7)地震の前兆的な耳鳴りの特徴(定性的評価)

【要点】地震の前兆的な電磁放射と耳鳴りは関係ありそうです。

このトピックでは、電磁放射と地震耳症状の関係性を定性的に評価してみます。

先ずは、前のトピックのおさらいです。電磁気学的アプローチによる地震研究の結果、下記の特徴が観測されています。

【地震の前兆的な電磁放射の特徴】
地震の前兆となる電磁放射は、震源に近いほど強く、地震規模が大きいほど遠くまで届く。地震発生までの電磁放射日数は地震規模に応じて異なり、大きめ地震は2週間以内、小さめ地震は1週間以内に発生する傾向がある。そして、突発的(パルス的)な電磁放射が時々ある。電磁放射は地震発生前日には収まる。
地震ではない自然由来の電磁放射は、昼弱く、夜強く、夏強く、冬弱い。

さて、上記の電磁放射と耳鳴りは相関があるのでしょうか。
話を上手く誘導するために、いえいえ、話を分かりやすくするために、先ずは地震ではない自然由来の電磁放射と耳鳴りの関係性を述べます。

地震に関係しない耳鳴りの特徴

静かな所で聞こえるシーンという耳鳴りは、ネット上ではオイフォンと呼ばれ、生理的耳鳴り、つまり、病気ではない耳鳴りだと説明されています。割合は多く2人に1人が感じ、感じる人の95%が不快に感じているそうです。

『オイフォン』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3

私が調べた限りでは、医学的にはオイフォンとは呼ばず、自発性耳音響放射と呼ばれています。内耳が自ら音を発している現象です。この自発性耳音響放射は病気として診断される耳鳴りとの関連性はないことが医学的に判断されています。1998年時点では。よくあるストレス性という解釈でもない様です。

『耳鳴と自発耳音響放射の関連性について』
日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology1968/41/1/41_1_46/_pdf/-char/ja

さて、この自発性耳音響放射の煩さが一日の内で変化する、と感じる人が多いという事実が存在します。一般に夜間に耳鳴りが煩く感じ、昼間は煩くないと感じるという傾向がTwitterでのアンケート調査や、Twitterでの耳鳴りキーワード検索の日変化から分かっています。見事な周期性があります。



医学文献を探してもこの現象についての説明を見つけることは出来ませんでした。・・・いえ、よくよく調べると、それらしい記載を見つけましたよ!

『自発耳音響放射(SOAE )について』
労働福祉事業団東北労災病院耳鼻咽喉科
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/50/9/50_KJ00001457022/_pdf/-char/ja

該当箇所を抽出します。
“ヒトで観測されるSOAE(自発耳音響放射のこと) の周波数は安定してい るが, 全く変化しないわけではない。周波数を変化させる外部因子として良く知られているものに外耳道圧がある。外耳道の圧を上昇させるとSOAEの 周波数が多くの場合わずかに高くなる。また,ある程度の日内変動や性周期に伴った周期的な変動なども観察されている。

当初、この耳鳴りの煩さ変わる理由は、静かな所に居る時間帯が決まっていることに直接関係しているとも考えましたが、上記の記載ではそもそも耳鳴り(自発耳音響放射)の音の周波数つまり音の高さが一日の内で変化するということは事実確認されているので、そうすると、それに伴って煩く感じる感覚の変化があってもおかしくないとの考えに至りました。性周期とは月経周期を指すと思われます。

さて、これで準備が整いました。私はこの自発耳音響放射の耳鳴りは、地震に関係しない自然由来の電磁波放射と相関があると考えます。電磁放射の大きさは、夜間はレベルが大きく昼間は小さくなるという特徴的な日変化を示します。その変化グラフと耳鳴りツイートのグラフを以下に比較します。どうですか?私的にはトリビアです。

非常に酷似していると言わざるを得ないですね。Twitterはユーザーの不快感をとても敏感にリアルタイムで反映します。電磁放射の影響で自発耳音響放射が起こっている可能性があります。このようなデマ考察を完全に否定するために、医療関係者の皆さん、是非とも実証実験を実施してください。意外と耳鼻科の医学史に名前を残す大発見かもしれませんにょ。(実は医学界では把握されてるのかもね)

一方、自然由来の電磁放射の大きさには季節変動がありますが、具体的には夏が大きく冬が小さい、ですが、Twitterアンケート結果からは全く反対の結果が出てきました。つまり相関がありませんでした。

その要因を考察しますと、調査時期が冬ということと、地震活動が活発化しているタイミングだったことが影響しているものと考えます。後に説明する地震の耳鳴りと分離することが難しいため、夏季または四季を通じて何度かアンケートを試すか、また医学文献を探すつもりです。尚、私個人の経験では、昨年の夏に昼間でも非常に煩いこの自発耳音響放射耳鳴りを感じたため、夏季の方が冬季よりも大きく感じると考えますが、それも地震由来の電磁放射による耳鳴りだった可能性もあり得ます。

以上は、そもそも自然由来の電磁放射をヒトは耳鳴りとして聞いていそうな客観的事実を示すための前振りでした。次は、地震の前兆的な耳鳴りを評価します。

地震の前兆的な耳鳴りの特徴

地震耳の症状トピックでは幾つかの症状を紹介しました。ここでは、特に頻繁に起こる2種類の耳鳴りと地震の関係について説明します。

突発性耳鳴り
キーン、ピー、プーなど、金属音的な耳鳴りが突然起こる時がある。長さは数秒から数分が一般的である。とても音量が大きい場合や、一日の内に何度も聞く場合は、数日後に地震が発生することが多い。地震発生時にも突発的な耳鳴りがする場合がある。
Twitterツイートにおいて、方角や時刻を記載する耳鳴りツイートはこのタイプの耳鳴りを指す。

持続性耳鳴り
静かな所で聞こえるシーンという持続性の耳鳴り(先述の自発耳音響放射)が、いつの間にか煩くなっている状況が数日から数週間継続する。特に夜間の就寝前に、いつもよりも耳鳴りの音量が大きい(煩い)ことに気が付くことが多い。その煩い耳鳴りは暫らく続いた後にいつの間にか消えていることが多く(体感抜けと呼ばれる)、その後、1日から数日して地震が発生する場合が多い。地震発生時にこの持続性の煩い耳鳴りはしない。
Twitterツイートにおいて、方角や時刻を記載せず、耳鳴りが煩い、大きい、など、持続的に鳴っていることを表現する耳鳴りツイートはこのタイプの耳鳴りを指す。

上記の耳鳴り症状は、電磁放射のことを全く知らない私達一般人が経験則で作り上げた、ある種の”言い伝え”みたいな物です。低気圧と地震の関係性についてのトピックで紹介しましたが、”言い伝え”は案外侮れません。人間の経験則や直感の集合体だからです。科学はそれを後追いで証明することがシバシバあることを皆さんはご存知かと思います。

では実際に、前の研究トピックで紹介した電磁放射時刻歴グラフに地震耳鳴り症状を当てはめてみます。


上図で示す通り、前兆電磁波放射の期間に、いつもよりも煩い”持続性耳鳴り”が対応していると考えられます。
一方、”突発性耳鳴り”は、いつもよりも煩い”持続性耳鳴り”と期間的に重複しているのでグラフから読み取れないと考えます。”突発性耳鳴り”は短時間で収まるため、上図の横軸時間スケールをもっと広げれば読み取れるかも知れません。
そして、これらの耳鳴り期間が終わってから数日後に地震が発生することに対応することが最も重要です。

上記は、異なる観測期間のデータに対して感覚的(定性的)に当てはめただけであり、それでも地震耳の人たちは大いに納得するところですが、勿論、科学的には客観性がありません。一番良いのは観測期間を一致させて、実際の電磁放射量と耳鳴りツイートのデータを比較することです。どなたか実証実験をお願します。きっとイグノーベル賞にノミネートはされるでしょう。たぶん職業研究者が本気で取り組むことがイグノーベル賞の条件ですよね。実際、イグじゃないかも知れませんにょ。

 

ここまでで、電磁放射と耳鳴り症状の大まかな対応として下記の緑色部分を考察しほぼ相関があることを説明しました。残された考察対象は下記の青色部分です。

【地震の前兆的な電磁放射の特徴】
地震の前兆となる電磁放射は、震源に近いほど強く、地震規模が大きいほど遠くまで届く。地震発生までの電磁放射日数は地震規模に応じて異なり、大きめ地震は2週間以内、小さめ地震は1週間以内に発生する傾向がある。そして、突発的(パルス的)な電磁放射が時々ある。電磁放射は地震発生前日には収まる。
地震ではない自然由来の電磁放射は、昼弱く、夜強く、夏強く、冬弱い。

上記の青色部分を考察するには、いよいよ地震耳鳴りハザードマップを持ち出す必要があります。この考察をするためにはちょっとデータ整理が必要なので、お時間頂きます。

ここでハザードマップについて、論文を真似てそれらしく紹介してみます。

地震耳鳴りハザードマップ
地震前兆の宏観異常現象の一種として、各種体感が存在することを自覚した電磁波に敏感なヒト達は、地震の発生を予測する上で耳鳴りが最適であること経験的に見出し、自身の耳鳴りを記録し始めました。2002年頃には”地震耳”という呼称が普及し始め、2018年2月現在では、24時間体制で日本全国で1000人以上で耳鳴り観測を実施しています。SNSの代表格Twitterサービスを活用し、ほぼリアルタイムで耳鳴りデー タを取得し、1日間の分布を配信する”地震耳鳴りハザードマップ”が運用されています。全国配置図を記します。

   電磁波観測装置(地震耳)の全国配置状況(2018年2月現在)

青色部分の考察を行うには時間が掛かるので(データ整理が正直なところ面倒です)、現時点では印象だけをお伝えしておきます。待てない人は、日々配信するハザードマップをご確認願います。あれが全てですので。

これまで半年間の活動からは、震源近く(約200km圏内)の地震耳モニタが反応することが分かっております。感度が良すぎる傾向があります。多人数が反応したけど、数日後に起こったのは震度1でした、みたいなことが多々起こっています。また、地震規模に応じてモニタの感知分布は異なることも分かっております。地震発生期間についても、耳鳴り報告後1週間以内で小規模地震が起こるケースが多数確認されています。
今後、それらの代表ケースを複数用意して説明し、最終的には下図の”地震までの日数”表を作成してみたいと考えております。

  地震マグニチュードと地震前兆の電磁放射の観測日数比較

要するに、ハザードマップは前のトピックで紹介した、畑雅恭氏によるELF帯電磁放射を評価対象とした地震予測手法と同じことを、観測装置を耳へ変え、観測点を異常に増やして実施しようとしている訳です。これで、この活動の学術分類が明確になったでしょうか。

【まとめ】
定性的かつ主観的評価によると、地震耳症状と電磁波および地震発生は相関性があると考えられます。今後、地震耳鳴りハザードマップを継続運用し、定量的かつ客観的に評価する予定です。しばらくお待ちください。

【追記1】トピック『地震耳鳴りハザードマップの読み方と予想的中事例』において簡易的な検証を行っております。本当に地震発生を予測出来ているのかどうか、手っ取り早く確認できますのでお奨めです。

【追記2】興味深い参考情報を発見しましたので情報共有させて頂きます。

上図は見ての通りですが、大地震発生前の一ヶ月間の耳鳴りツイート件数推移です。Twitterでは期間を限定してキーワード検索する機能があり、それを使いました。
検索キーワードはずばり”耳鳴り”です。当時はもちろん地震耳鳴りモニタは存在しませんので、Twitterユーザー全員のツイートを対象としています。(私は耳鳴りがする人は治療中の人以外は全員地震耳と考えているため、ユーザー全員とした場合でも特に問題はありません。)

グラフを見ると一目瞭然ですが、2/21に平均の4倍の件数で耳鳴りがツイートされています。内容を確認しましたが、誰かのツイートが爆発的にリツイートされた分けではなく、内容に偏りはない印象です。
2/21は月曜日です。午後3時に和歌山県で震度4が起こりました。これが耳鳴りの要因かとは考えにくいです。現在でこそ、大きめの地震が起こると『先日の耳鳴りの対応地震が来た』という趣旨のツイートが増えますが、当時は地震耳鳴りが全然普及しておりませんでした。実際、1600件のツイート内容でも地震について触れられているのは極僅かでした。また、他にも同規模の地震が3.11までの間に4件起こっておりますが、それぞれの日のツイート件数はほぼ平均値であり、震度4レベルの地震と耳鳴りツイート件数には関係性がないように考えられます。

では、この2/21の異常な耳鳴りツイート件数が意味するところは何なのかということですが、読者の予想を裏切らず、それはやっぱりマグニチュード9.0地震を起こした震源が発した電磁放射だったと考える次第です。
2/21から3/11までは18日です。先に示した『地震までの日数』の図ではマグニチュード7.7の地震の場合に13日前から電磁放射が観測されています。地震規模に比例する傾向で日数は長くなります。18日後の地震発生という可能性は比例傾向に当てはまりますので、それなりの信憑性があります。つまり、耳鳴りはマグニチュード9.0を事前察知していた可能性があります。

さあ、この都市伝説的ネタを身近な人達に流布しましょう。早速ツイートしておきます。

・・・その後、疑問に思い、1600件のツイート内容をある程度精査してみました。すると内容に偏りがあることが分かりました。
ツイートの多くが耳鳴りと幽霊の関係性に関するツイートへの反応です。具体的なツイート内容は下記です。

『今からフォロワー減る覚悟で割と怖いこというけど耳鳴りって幽霊と目が合ってるとなるらしいよ。』

上記が約2000回リツイートされました。拡散された結果、それに反応したユーザーが”耳鳴り”を使ってツイート行った結果、検索ヒット件数が平均の4倍の1600件になった模様です。
Twitterの記録では午後10時頃に上記がリツイートされ始めました。それまでの22時間での耳鳴り検索件数は約450件で平均的であることが分かりました。
つまり、耳鳴り体感者がその日に急増したことを意味する訳ではなさそうです。あれま!残念な調査結果ですね。

しかしですよ、この耳鳴りネタが拡散した理由は、丁度その時期に耳鳴りを気になるくらいに体感していた人が多かったことが背景にあるのでは、と考える次第です。

面白い客観的事実かつ、マグニチュード9.0地震を起こした震源が発した電磁放射の影響も完全にないとも言い切れないため、この都市伝説的ネタの訂正ツイートはしないことにしておきます。

来る大地震、南海トラフ地震でしょうか、首都直下型でしょうか、が発生する直前にこの耳鳴りハザードマップが機能するか否かが最大の関心事です。それを確認するまではこのプロジェクトを続けたいと考えております。

これまでの活動成果は「地震耳鳴りハザードマップの読み方と予想的中事例」で確認できます。
やはり、地震耳モニタが多く在籍する県では精度が高い印象です。