6)地震研究事実 地震の前兆的な電磁放射の特徴

【要点】研究者でもない私達は何故かこの事実を知っていました。きっとアレのお陰で。
-地震電磁放射トピックの核心部分です。長文ですので、腰を据えて読んでください。

前のトピックで紹介した畑氏の3つの研究報告文献から、地震前兆電磁波の特徴を抽出し、極力分かりやすく説明します。

先ず、この223Hz(または271Hz)の電磁波を評価対象とした理由は、種々の雑音(電波ノイズ)を回避するためです。既にお伝えした通り、地震源は幅の広い周波数帯の電磁波を放射しています。しかし、電磁波観測装置を用いても、地震に由来する電磁波か、他の自然由来の電磁波か、はたまた都市生活で発生する人工的な電磁波かを区別することが難しいという問題があります。他の自然由来の電磁波の例としては、雷や太陽からの紫外線や太陽風の照射に基因する磁気圏・電離層の乱れや変動が挙げられます。また、都市生活由来の電磁波の例としては、発電所や送電設備、各種通信電波、鉄道などです。

これら雑音問題を概ねクリアするために、地震の電磁波を評価する上では223Hzという周波数が最適であることを畑氏は見つけ出し、観測装置を自作しました。現在はどうなっているか不明ですが、2003年当時では、24時間レベルで北海道釧路から九州熊本まで40数箇所において電磁波観測を実施しています。6秒 ごとのデー タをオ ンラ イ ン化して取得しています。観測装置は下図になります。特殊なアンテナです。また、全国配置図を記します。

          電磁波観測装置

  電磁波観測装置の全国配置状況(2003年頃)

この223Hzに周波数帯を絞ることで、都市生活の電波雑音は回避できた様です。しかし、雑音問題を完全にクリアできるわけではなく、地震とそれ以外の自然由来の電磁波を区別する必要があります。そこで、地震に関係する電磁放射と、そうでない電磁放射について調査をし、それぞれの特徴をまとめてあります。

地震の前兆的な電磁放射の特徴

電磁放射は、パルス的な放射も時に出現しますが、前兆的な放射としては数十分程度から数時間周期の変動を伴いながら、だらだらと数日から数週間継続し、それらがまた長期間に渡って不規則に変化し断続しながら続くといったフラクタル的な側面をもつ。

1-2週間前に前兆の電磁放射があり、それらが収まってから(直前の半日程度には前兆が消える場合が多い)1日から数日して地震が発生する場合が多い。地震発生時に電磁放射は検知されない。

地震規模で分類すると、一般的にマグニチュードM3-4クラスの直下型の地震の場合には、数日から1週間程度の放射異常があった後に発生することが多い。規模がM5‐6と大きくなるにつれ、電磁波前兆の期間も1-2週間からさらに長くなる傾向がある。

  地震マグニチュードと地震前兆の電磁放射の観測日数比較

地震タイプで分類すると、一般的に観測距離が長くかつ震源が深くなる海溝型の地震や、陸域でもプレートのもぐり込み先の深い場所で発生する地震の場合には、規模に対して検出電磁波のレベルが一般に低く、変化波形もなだらかで、前兆の検出日数も短くなる傾向があります。

地震のマグニチュードが大きくなるほど、前兆の電磁放射を遠くで検知できる。具体的には、マグニチュード値1つ増す毎に電磁放射の検知距離はほぼ2倍となる。

震源に近い地点では、震源に近付くほど、前兆の電磁放射の大きさは大きくなる。具体的には震源までの距離が数10Km程度に近接した観測点では、電磁放射の検知レベルが距離の2乗に逆比例して増加する。

このトピックでは、地震耳症状と上記の電磁放射との関連性を何も書きませんが、上記を読んでピーンと来た地震耳さんはとても多いと思います。私達は大学で電気工学を専攻しなくても、上記の事実を既に知っていました。この身体で・・。ぶふっ。
実のところ、私は地震耳鳴りハザードマップを毎日集計して、確信を持ったというところですが。
さて、次は地震に関係しない電磁放射についてです。これを読んでも、これまたピーンとくるかも知れません。

地震に関係しない自然現象由来の電磁放射の特徴

電磁放射の大きさ(磁束密度)は一日の内で変化する。電離層は電波を反射する大気の層で、太陽の照射によって電磁層は高度と密度が変化する。この影響を受けるため、電磁放射の大きさは、夜間はレベルが大きく昼間は小さくなるという特徴的な日変化を示す。この変化は上述の図2から読み取れ-る。具体的には図2の10月7日~12日では一日刻みで波打つような変化が顕著に起こっていることが分かる。

電磁放射の大きさには季節変動がある。冬季において0.5ピコテスラ、夏季において1.5ピコテスラ程度である。これは熱帯地域の雷放射雑音が電離層と地表の間 を伝搬してくることが要因である。

   一日24時間における電磁放射量の変化 および 季節変化

ここで、ピコテスラという単位は非常に小さい電磁波(磁場)の大きさで、人の身体が発している(脳や心臓)レベルの大きさです。えっ?人間の体は磁場を発しているの?そうなんです。これについては今後のトピックで取り扱います。

どうでしょう、何かピーンと来ましたか?キーンって耳鳴りじゃないですよ。まとめると、以下になります。

【まとめ】
地震の前兆となる電磁放射は、震源に近いほど強く、地震規模が大きいほど遠くまで届く。地震発生までの電磁放射日数は地震規模に応じて異なり、大きめ地震は2週間以内、小さめ地震は1週間以内に発生する傾向がある。そして、突発的(パルス的)な電磁放射が時々ある。電磁放射は地震発生前日には収まることが多い。
地震ではない自然由来の電磁放射は、昼弱く、夜強く、夏強く、冬弱い。